【任意整理の戦略】楽天銀行をあえて「除外」した理由。300万円の借金と「36回払いの壁」
「任意整理って、全部まとめて整理するものじゃないの?」
そう思っている方は多いかもしれません。ですが任意整理の大きな特徴は、“整理する相手(債権者)を選べる”点です。
こんにちは、借杉です。
理由はシンプルで、条件次第では「36回(3年)払いの壁」により月々の返済額が跳ね上がり、返済計画が破綻するリスクが高かったからです。
※任意整理の分割回数は一般に36〜60回程度が目安とされます。
私は借金総額が多く、「全社を一括で整理する」よりも「戦略的に順番を組む」必要がありました。
この記事では、私が実践している「債権者を選別する戦略」と、任意整理のメリットとされがちな「家族に内緒」をあえて捨てた理由、さらに信用情報(いわゆるブラックリスト)の期間の考え方まで、体験ベースで整理します。
任意整理の最大のメリットは「柔軟性」
個人再生や自己破産は、原則としてすべての債権者を手続きに含めます。一方、任意整理は債権者ごとに個別交渉できるため、次のような選び方が可能です。
「A社とB社だけ任意整理し、C社は今まで通り支払う」という“業者選別”ができる
私はこの特権をフル活用しました。なぜなら、全社を同時に整理すると月々の支払いがパンクする可能性が高かったからです。
なぜ私は「楽天銀行」を整理対象から外したのか
今回、私が外した業者の筆頭は楽天銀行です。残高は約300万円でした。
「300万円なら、真っ先に利息カットを狙うべきでは?」
普通はそう考えます。ところが私のケースは、契約上の事情で“保証会社が付かない(保証会社なし)”状態になっていました。
保証会社あり/なしで「交渉条件」が変わり得る
一般的に、銀行カードローンは保証会社が間に入り、任意整理では保証会社側が交渉窓口になることがあります。
楽天銀行スーパーローンについても、一般的には「保証会社ありの場合は最大60回程度」「保証会社なし(直接交渉)の場合は最大36回程度」といった傾向があると言われています。
“銀行系の借入”は、任意整理にすると分割回数(返済期間)が短くなるケースがあり、結果として月々の返済額が上がってしまうリスクがあります。
「36回払いの壁」で月額が現実的ではなくなる
私の試算はこうでした(単純計算です)。
| 条件 | 元金 | 分割回数 | 月々の目安 |
|---|---|---|---|
| ケースA:36回 | 300万円 | 36回 | 約83,333円 |
| 参考:60回 | 300万円 | 60回 | 約50,000円 |
※和解までの経過利息・遅延損害金等により金額は変動します。あくまで「月額インパクト」を掴むための目安です。
楽天銀行1社だけで月8万円超。ここに他社の支払いも加われば、家計として成立しません。
だから「今回は外す」→「後から追加する」戦略を取った
そのため私は、楽天銀行を今回の任意整理対象から外し、いったんは今まで通り返済を継続する判断をしました。
そして将来、残高がある程度減った段階(例:残り200万円程度)で、改めて任意整理に入れることを検討しています。
- 残債務:200万円
- 条件:36回払い
- 月々の目安:約55,555円
同時に全部やるのではなく、“月額が跳ねる債権者”はタイミングをずらすという戦略も取り得ます。
注意:後から追加する場合、交渉条件・社内方針・あなたの返済状況などで結果は変わります。必ず代理人(弁護士・司法書士)に「追加整理の可否・順序の最適化」を確認してください。
逆に「絶対に整理すべき」だった業者(私の優先順位)
一方で、イオンカードとJCBは真っ先に任意整理へ入れました。理由は次の2つです。
- 債務額が大きい
- 金利が高い(目安として年18%帯になりやすい)
高金利帯は、将来利息カット(これから発生する利息のカット)による改善効果が大きいです。
こちらは弁護士交渉により、無理のない長期分割(60回払いなど)での和解を目指して進めています。
「家族にバレない」メリットを私が捨てた理由
任意整理は、郵便物の宛先や連絡手段を工夫することで、同居家族に知られにくいと言われます。
しかし私は妻にすべてを打ち明けました。
妻の協力なくして、家計の再建は回らなかった
借金の返済と、家庭の固定費(教育費を含む)を両立するには、家計の見える化と共同運用が不可欠でした。
告白した瞬間は当然しんどかったです。ただ、多重債務の局面では、「秘密を抱え続けるストレス」よりも、「共有して一緒に戦ってもらえる安心感」のほうが、私には重要でした。
信用情報(いわゆるブラックリスト)は「いつ消える」?
任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録され、一定期間はクレジットやローンが通りにくくなります。
期間の目安は一律ではありませんが、JICCなどの信用情報機関では一般に「契約終了後5年」などと説明されています。
「完済までの期間」+「完済後(契約終了後)に情報が残る期間」が重なるため、体感として長く感じます。
借金を完済して終わりではなく、そこから「喪明け」までの期間も考慮してライフプランを立てる必要があります。
よくある質問(FAQ)
Q. 楽天銀行は任意整理だと本当に36回しか無理?
A. 一律ではありません。ただし、一般的には保証会社の有無など条件によって分割回数の上限が変わり得ると言われています。個別事情で変わるため専門家に確認してください。
Q. 任意整理をすると月々の返済が増えることはある?
A. あります。特に銀行カードローンは、任意整理後に36〜60回程度の分割に再設計されることで、今まで払っていた最低返済額(ミニマムペイメント)よりも月額が上がるケースがあります。
Q. 「後から追加で任意整理」は現実的?
A. 可能性はありますが、交渉条件・返済状況・債権者方針で左右されます。順序設計の可否は必ず専門家に相談してください。
Q. 信用情報はいつ回復する?
A. 目安として「契約終了後5年」などが一般的ですが、機関や状況で異なります。
まとめ:任意整理は「債権者の選別」と「順番設計」で結果が変わる
- 任意整理は、債権者を選べる(全社を同時にやる必要はない)
- 銀行系(楽天銀行など)は、条件次第で36回の壁が月額を押し上げる
- 高金利帯は利息カットの効果が大きく、優先度が上がりやすい
- 信用情報の期間は一律ではないが、JICCでは契約終了後5年が通常と説明されている
※読むのがつらいときは、いったん閉じて大丈夫です。必要なところだけ拾ってください。
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