債務整理をすると「全てのカード」が使えなくなる?

「弁護士に依頼したら、手持ちのカードは全部ハサミを入れることになる…」

こんにちは、借杉(かりすぎ)です。

借金の整理を考えた時、こう思い込んでいませんか?
実は、それは半分正解で、半分間違いです。

自己破産や個人再生といった手続きは、すべての借金を平等に扱わなければなりません。
しかし、私が選んだ「任意整理」だけは、整理する相手を選ぶことができます。

つまり、

  • 金利が高いA社は整理する
  • 金利が低いB社はそのまま払い続ける

という「選別」が可能なのです。

今回、私は弁護士と相談した結果、あえて「楽天銀行」「LINEポケットマネー」「GPC(ゴールドポイントカード)」の3社を整理対象から外しました。

なぜなら、これらを無理やり整理していたら、月々の支払額が爆増し、我が家は破綻していたからです。
今回は、その「戦略的な理由」をすべて公開します。

💡 この記事を読む前に
任意整理の全体像を知りたい方は、まず借金1,274万円の体験談をお読みください。私がどのような経緯で任意整理を決断したのか、リアルな借金内訳とともに解説しています。

なぜ「楽天銀行」を外したのか?(36回払いの罠)

私の場合、楽天銀行のカードローンだけで300万円の借入がありました。
これを任意整理すれば、将来の利息がカットされ、楽になるはずでした。

しかし、弁護士の先生はこう言いました。

「楽天銀行は、保証会社によって対応が天と地ほど変わります」

運命を分ける「保証会社」の確認

楽天銀行の交渉条件は、裏についている保証会社がどこかで決まります。

  • 保証会社が「楽天カード」の場合:
    交渉しやすい。60回払い(5年)などの長期分割に応じてくれることが多い。
  • 保証会社が「楽天銀行(本体)」などの場合:
    交渉が非常に厳しい。「36回払い(3年)」までしか応じないケースがほとんど。

私はすぐに、楽天銀行のカスタマーセンターに自分で電話をして確認しました。
結果、私の保証会社は楽天カードではありませんでした…。

月々の支払いが8万円越え!?

もし、300万円を「36回払い」で和解した場合どうなるか。

300万円 ÷ 36回 = 月額 約83,300円

楽天銀行だけで毎月8万円オーバーです。
これに他の数社の返済を加えたら、月々の支払総額はとんでもないことになります。

「これなら、今のまま利息を払ってでも、長期で返し続けた方がマシだ」
そう判断し、泣く泣く整理対象から外しました。

なお、弁護士費用については別途交渉の余地があります。私は相見積もりで1社あたり33,000円の値引きに成功しました。詳しくは弁護士費用を抑える交渉術をご覧ください。

なぜ「LINE」と「GPC」を外したのか?

次に、LINEポケットマネーと、GPC(ゴールドポイントカード)です。
これらも整理しなかった理由は明確です。

LINEポケットマネーの「半額一括」要求

弁護士によると、LINEなどの新しい金融サービス系は、任意整理の交渉に対して非常にシビアだそうです。

「おそらく、『最初に残金の半額を一括で支払うなら和解に応じる』といった厳しい条件をつけてくるでしょう」

お金がないから相談しているのに、一括で数十万円も払えるわけがありません。
幸い、私のLINEの金利は9%と比較的高くなかったため、そのまま払い続けることにしました。

【怪我の功名】GPCを外したら、カードが使えた

GPC(ヨドバシカメラのカード)も同様の理由で外したのですが、結果としてこれが「命綱」になりました。

実は、整理対象から外したGPCのクレジットカードは、弁護士介入後も今のところ問題なく使えています。

本来、信用情報(ブラックリスト)に載った時点で他社のカードも強制解約になるのが一般的です。
しかし、更新のタイミングや途上与信(カード会社のチェック)が入るまでは、これまで通り使えるケースがあるようです。

おかげで、毎月のスマホ代やネットショッピングの決済手段を完全に失わずに済みました。
(※もちろん、いつ止まるかわからないので油断は禁物ですが、生活再建の初期段階でカードが1枚あるのは本当に助かります)

整理対象に含めたカードは使えなくなりますが、対象外のカードや家族カード、デビットカードでの代用方法については任意整理後のクレジットカードはどうなる?で詳しく解説しています。

もし「全部」整理していたらどうなっていたか?

もし私が、「メリットがよく分からないから、とりあえず全部整理してください」と依頼していたらどうなっていたでしょうか。

弁護士とシミュレーションした結果は、恐ろしいものでした。

パターン 月々の返済額 結果
全社整理
(失敗ルート)
約200,000円 支払不能。
自己破産自宅売却
選別して整理
(今回)
約140,000円 ギリギリ生活可能。
自宅も維持

このように、「整理する・しない」を選別したおかげで、月々の負担を現実的なライン(それでもキツイですが)に抑えることができました。

住宅ローンがある方は特に注意が必要です。任意整理なら住宅ローンを除外して家を守れます。個人再生との違いについては任意整理で持ち家は守れる?で解説しています。

まとめ:自分の借金に「最適な戦略」を知ろう

「任意整理=すべての借金を整理する」ではありません。
むしろ、「厳しい業者はあえて外す」という戦略が、生活を守る鍵になることがあります。

ただ、どの業者が厳しくて、どの業者が甘いのか、素人には絶対に分かりません。
私も、弁護士に「楽天銀行の保証会社を確認して」と言われるまで、そんな仕組みがあることすら知りませんでした。

だからこそ、まずはプロに相談して「シミュレーション」をしてもらうことが重要なのです。

「全部整理したら月いくら?」
「ここを外したらどうなる?」

そうやってパズルのように組み合わせを考えることで、必ず「生活できる道」が見つかります。
まずは無料診断で、あなたの借金がどういう状況なのか、プロの目で見てもらうことから始めてみてください。

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※読むのがつらいときは、いったん閉じて大丈夫です。必要なところだけ拾ってください。

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ABOUT ME
借杉
借杉(かりすぎ)。借金1,274万円から任意整理で再建中。正社員の信用力が仇となり、穴埋めキャッシングを繰り返して“見えにくい破綻”に。体験談と生活再建の記録を書いています。